【5月28日 AFP】米大統領選の民主党候補指名を争うバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は27日、共和党の指名獲得を確実にしたジョン・マケイン(John McCain)上院議員がジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領と協力して選挙資金獲得を行っていることに関して、マケイン議員は「政権運営に失敗した」ブッシュ大統領に「へつらっている」として批判した。

 ブッシュ大統領は、マケイン陣営のために選挙資金を獲得するためアリゾナ(Arizona)州で私的イベントを開くという。同大統領は、依然として共和党員に草の根的な人気があり資金集めでも大きな影響力をもっている。

 マケイン氏とブッシュ大統領がそろって公開の場に姿を見せるのは、ほんのわずかの時間だとみられている。オバマ氏は、ブッシュ大統領を目立たないようにしながら資金集めに利用していると非難している。

 オバマ氏はネバダ(Nevada)州で「マケイン議員はなぜブッシュ大統領といるところを見られたくないのか。それは、政権運営に失敗した大統領にへつらっているからだ」と語った。

 米ホワイトハウス(White House)は、大統領による選挙資金集めは、資金集めの様子をメディアに公開しないマケイン陣営の方針に従って、私的なものに切り替えられたことを認めている。こうした動きに対し、民主党側はマケイン氏が不人気の現職大統領と一緒にいるところを見られたくないからだろうと指摘している。

 今月行われた米テレビ局CNNと調査機関オピニオンリサーチ(Opinion Research)による世論調査によると、ブッシュ大統領の政権運営について71%が評価しないと回答した。70%を超えたのは、歴代大統領で初めてだという。こうしたことを考えると、マケイン氏が共和党の指名を確実にしてから約3か月の間、ブッシュ大統領と一緒に公の席に姿を現していないことは納得できる。

 マケイン氏は、ブッシュ政権のイラク政策を熱心に支持しているにもかかわらず、地球温暖化問題やハリケーン「カトリーナ(Katrina)」への対処をめぐる問題では、ブッシュ大統領と距離を置いている。

 だが一方で、マケイン氏にはブッシュ大統領の助けを必要とする大きな理由がある。現職大統領という地位は、共和党支持者からの資金集めに絶大な威力を発揮する。特にマケイン氏は、大統領選本選で、資金集めに絶対的な強さをみせるオバマ氏と対決しなければならない可能性が高い。

 ブッシュ大統領は一般的には不人気だが、共和党員からの人気は高い。米ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)が前週行った世論調査では、共和党員の79%がブッシュ大統領に好意的な見方をしていることが明らかになった。(c)AFP/Celine Loubette