【5月27日 AFP】26日に明らかになった国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)による非公開の報告書によると、イランは、国連(UN)が求めているウラン濃縮活動の停止を拒んでおり、兵器目的の核開発を進めているとの疑惑にも反証していないという。

 AFPが入手した新たな報告書のコピーの中でIAEAは、最も重要な課題の1つで依然として解決されていない「疑惑の研究」について、イランが実質的な進展をほとんどみせていないと不満を示している。

 これらの研究とは、核弾頭の開発やウラン転換活動、高性能爆薬の実験、ミサイル再突入体などに関するもの。イランは、これらの研究を進めているとの報道を「根拠のないもの」として否定し、元になっている情報は「偽造されたもの」だとくり返し主張している。

 一方、IAEAは「疑惑の研究や軍事技術に結びつく可能性のある情報に関して、イラン側の主張を聞き入れるためには、現実的な説明が行われる必要がある」とし、核開発計画が平和利用目的であることを国際社会に確信させたいのならば、イランはこうした疑惑に対し、積極的に反証しなければならないと主張している。

 さらに「疑惑の研究は、依然として深刻な懸念事項だ。これらの疑惑を明らかにすることは、イランの過去・現在の核開発計画の本質を判断するために非常に重要なことだ」とした。

 IAEAは「イランは、特に高性能爆薬の実験やミサイル関連活動に関して、追加的な情報をもっていると考えている」とした上で、それらの追加的な情報は、イランによる疑惑の研究の本質がより一層明らかになる可能性があり、IAEAと共有すべきものだと指摘している。

 また同時に、国連による3度の制裁にもかかわらず、イランは、核爆弾に使用される核分裂物質を製造するウラン濃縮活動を停止していないとした。(c)AFP/Simon Morgan