【5月25日 AFP】サイクロン「ナルギス(Nargis)」で大きな被害を受けたミャンマーを支援するため、同国のヤンゴン(Yangon)で25日、国連(UN)と東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)が共催する支援国会合が開かれた。

 会合で国連の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、サイクロン被災者の命を救うことを最優先すべきだとの考えを強調した。

 潘事務総長は、いまだに十分な食糧、水、住居が行き渡っていない被災者が多数存在することを指摘し、「被災者の命を救うという緊急の課題にしっかりと焦点を合わせよう」と呼び掛けた。また潘事務総長は、今後数か月、おそらく6か月程度は食料の供給などの被災者支援活動が必要だろうとの見通しを示した。さらに同事務総長はサイクロンの被害を受けたミャンマーの社会基盤を復旧させる必要はあるが、それは現時点での最優先課題ではないと強調した。

 一方、会合に出席したミャンマーのテイン・セイン(Thein Sein)首相は「我々が設定した優先順位、およびそのために必要な作業に沿って、復興と再建に関心を持つグループを受け入れる準備がある」と述べ、外国からの援助要員の受け入れと復興を関連づける姿勢を示唆した。

 会議参加者によれば、今日の会議はミャンマーと諸外国間の信頼醸成という点では一定の成果があったものの、実際の援助金額がいくらになるかは不透明で、ミャンマーが先に求めていた107億ドル(約1兆1000億円)は大きく下回るとみられるという。

 会議では国連と東南アジア諸国連合が援助活動を調整することが承認された。会議には各国代表や国際援助団体などが参加し、最大の親ミャンマー国である中国からは楊潔チ(Yang Jiechi)外相が出席した。(c)AFP/Hla Hla Htay