【5月24日 AFP】米大統領選の民主党候補指名争いで劣勢が伝えられるヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員が23日、1968年の民主党指名争いの最中にロバート・F・ケネディ(Robert F. Kennedy)上院議員が暗殺された事件を引き合いに出し指名争いの継続を正当化し、不謹慎だとして物議を醸している。

 サウスダコタ(South Dakota)州のアーガスリーダー(Argus Leader)紙の取材に応じたクリントン氏は、「夫・ビル・クリントン(Bill Clinton)が1992年の候補指名争いでライバルを制したのは6月中旬に行われたカリフォルニア州での予備選挙だった」と述べた。

 さらにクリントン氏は、「ロバート・ケネディが(候補指名争いの最中)暗殺されたのは6月だった。(撤退を求める声が)理解できない」と述べ、過去数回の指名争いが6月まで続いたことを強調した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)上院議員の広報ビル・バートン(Bill Burton)氏は、クリントン氏の発言が「不謹慎で選挙戦中の発言として不適当」だと非難した。

 とりわけオバマ氏の支持者にとって政治家暗殺の話題は繊細な問題とされる。オバマ氏は不特定の脅迫を受けたことで、他候補に先んじて前年から私服警官の護衛をつけている。

 クリントン氏はこの発言直後、エドワード・ケネディ(Edward Kennedy)上院議員が前週脳腫瘍のために緊急入院したことで、ケネディ家のことが気がかりだったと述べ、「米国民すべてとケネディ家が受けた心の傷についての言及が不適切だったことを後悔している。心の傷に触れることを意図したわけではない」と弁明した。

 さらに、「過去の事象とわれわれに活力と期待を授けた指導者を振り返ることが必要だと考える。かつてロバート・ケネディ氏が上院議員を務めたニューヨークで上院議員を務めることは私にとって光栄なこと」とロバート・ケネディ氏を称えた。(c)AFP/Stephen Collinson