【5月24日 AFP】中国訪問中のロシアのドミトリー・メドべージェフ(Dmitry Medvedev)大統領は23日、北京(Beijing)で中国の胡錦涛(Hu Jintao)国家主席と会談し、米国のミサイル防衛(MD)計画への非難などを盛り込んだ共同声明に署名した。

 ロシアと欧米諸国の対立が深まるなか、今月7日に就任したばかりのメドべージェフ氏が旧ソ連諸国以外の初の外国訪問先として中国を選んだことは非常に象徴的とみられている。

 胡氏はポーランドとチェコにおける米国のMD計画について「戦略的バランスと安定の維持には貢献しないだろう」と述べ、ロシアと足並みをそろえた。

 共同声明では米国を名指ししなかったが、MD計画について両首脳は「軍備の国際管理・非拡散努力を妨げる」と強調。

 チェコ政府は21日にMD計画を承認している。

 胡氏との会談でメドべージェフ氏は「われわれの関係を妨げるものがないことは非常に重要だ。ロシアと中国は戦略的パートナーだ。わたしの就任後初の外国訪問となる意味を(胡氏は)的確に理解している」と語った。

 胡氏は四川大地震後ロシアが医療チームを派遣したことに謝意を示し、「今回の訪問が戦略的パートナー関係のさらなる発展に弾みとなることを確信している」と述べた。

 また両政府は、中国でのウラン濃縮施設の拡張やロシア産ウラニウムの供給など10億ドル(約1000億円)規模の核開発関連契約を締結した。国営原子力企業「ロスアトム(Rosatom)」のセルゲイ・キリエンコ(Sergei Kiriyenko)総裁が明らかにした。(c)AFP/ Victoria Loginova