【5月24日 AFP】イスラエルのエフド・オルメルト(Ehud Olmert)首相(62)の汚職疑惑で警察当局は23日、今月2日に続き2回目となるオルメルト首相の事情聴取を行った。首相退陣を求める声が強まっている。

 警察の収賄(わい)取締当局はエルサレム(Jerusalem)の首相公邸でおよそ90分間にわたり首相の事情聴取を行った。

 オルメルト氏は2006年に首相に就任する前の13年間に、米実業家モリス・タランスキー(Morris Talansky)氏から違法に資金を受け取った見返りに便宜を図っていた疑いが持たれている。

 国家検察官はオルメルト氏がタランスキー氏から現金10万ドルを受け取ったとみており、警察は現金が私的な旅行に使用された疑いもあるとして用途を調べている。

 エルサレム市長と通産相を歴任したオルメルト氏は、1999年と2003年、選挙資金としてタランスキー氏から金を受け取ったことは認めたものの不正はなかったとしている。

 一方タランスキー氏は27日に裁判官の前で宣誓証言を行う。当初25日に予定されていたが、弁護団の申請により2日間の延期が認められた。

 マーリブ(Maariv)紙が23日に報じたところによると警察はオルメルト氏は閣僚時代、南米の国に駐留するイスラエル外交官にタランスキー氏がパートナーを務める技術関係の計画を推進するよう頼んだ疑いがあるとみている。

 オルメルト氏はタランスキー氏の工場で生産されたミニバーの販売を促進したり、エルサレムのタランスキー氏の孫が住んでいた近くの道路に自動車を減速させるスピード防止帯を設置するのに影響力を行使した疑いもある。(c)AFP/Patrick Moser