【5月16日 AFP】3月にコロンビア軍がエクアドルに越境攻撃した際に入手し、コロンビア政府が同国左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」とベネズエラ・エクアドル両政府との密接な関係を示す証拠だとしているコンピューターのファイルについて、国際刑事警察機構(International Criminal Police OrganizationICPO)は15日、このファイルが本物であることを確認したと発表した。

 ICPOのロナルド・ノーブル(Ronald Noble)事務総長はコロンビアの首都ボゴタ(Bogota)で、「各ファイルに慎重かつ総合的に調査に加え、ICPOの専門家による検討を考慮した結果、全データに改ざんされた形跡はなかった」と語った。ファイル内容には言及しなかった。

 東芝(Toshiba)製ノートパソコン3台、ハードディスク・ドライブ2台、USBメモリースティック3本に記録されていたのは全部で3万8000ファイルで、ほとんどがスペイン語で書かれていた。ノーブル事務総長は1日100ページずつ読んでいっても1000年かかると指摘、ICPOには調査と翻訳を行うのに十分な専門家がいないと述べた。作業はコロンビア側への返却期限の3日前に終了したという。

 コロンビア軍は3月1日、エクアドルに越境攻撃し、FARCのナンバー2のラウル・レジェス(Raul Reyes)司令官を殺害するとともにコンピューターを押収。FARCがベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領から資金と武器を提供されていた証拠のファイルが見つかったと主張していた。

 ICPOの調査報告についてチャベス大統領は15日、海外メディアとの記者会見を行い、「茶番劇」と一蹴。真剣に扱う価値はないと述べ、コロンビアとの関係およびコロンビアとICPOとの協力関係について「大幅に見直す」意向を示した。(c)AFP