【5月3日 AFP】米大統領選で民主党指名候補を争うバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が、中産階級出身のアフリカ系アメリカ人であるにもかかわらず、「エリート主義者」という悪評を得ていることは、選挙戦におけるパラドックスのひとつに挙げられる。

 各地の集会でオバマ氏は、貧しい出自から成功を収めるアメリカンドリームの体現者として、自分の生い立ちを幾度となく語ってきた。ところがいつのまにか現れた「エリート主義者」というレッテルが黒人初の大統領を目指すオバマ氏の障害になり始めた。

 オバマ氏を支持するリチャード・ダービン(Richard Durbin)民主党副院内総務にとってオバマ氏が直面するこのジレンマはほとんど理解できないものだ。4月30日、NBCの番組に出演したダービン氏は「これまで極貧地区に生まれたと言われていたオバマ氏が、最近ではエリート主義者と呼ばれているのを聞くと驚いてしまう」と語った。

 オバマ氏の申し分ない身だしなみもエリートイメージの排除に役立っていない。オバマ氏によれば印象をよくするために身だしなみを整えるよう言っているのはミシェル(Michelle)夫人だという。

 オバマ氏は前週、遊説先のインディアナポリス(Indianapolis)で「わたしは基本的に同じ背広を5着買って、修繕しながらくり返し着るんです。持っている靴は4足。なので、妻のミシェルは(エリートと呼ばれるのは)おかしいといつも言うんです」と話した。

 オハイオ(Ohio)、ペンシルベニア(Pennsylvania)両州の予備選は対立候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員が制した。オバマ氏はこれらの州で労働者階級の支持を十分に得ることができなかった。

 もっと普通に見られたい。オバマ氏の努力は数週間前から続いている。ニューズウィーク(Newsweek)は最近、おそらくオバマ氏の庶民イメージを打ち出すため、机に足を載せてくつろぐ様子を撮影した写真を掲載した。オバマ氏の靴には、しっかりと穴が開いていた。(c)AFP/Charlotte Raab