【4月29日 AFP】スペインのホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ(Jose Luis Rodriguez Zapatero)首相は28日、ソマリア沖で海賊被害が多発していることをうけ、国連(UN)で検討されている海賊対策には同海域で漁業を行っている中国などのアジア諸国も参加すべきだとの考えを示した。

 サパテロ首相はスペインのTVEテレビに対し「近年、著しく危険が高まっている海域は広範囲にわたることから、多数の国が参加する取り組みが必要だ」と述べ、同海域で操業している中国、日本、韓国、フランスなども海賊取り締まりに参加すべきだと語った。スペインはすでに参加の意志を表明している。

 ソマリア海域では20日、スペインのマグロ漁船「プラヤデバキオ(Playa de Bakio)」号が海賊に乗っ取られ乗組員26人が人質となる事件が起きたばかり。プラヤデバキオ号は人質全員とともに25日に解放された。

 国際海事局(International Maritime BureauIMB)によると、米海軍がソマリアの沖合で巡視を続けているものの、2007年だけで25隻以上が海賊の襲撃を受けている。こうした被害を避けるため、IMBは同海域を通航する船舶に対し、海岸から少なくとも200カイリ(約370キロ)離れて通航するよう勧告している。(c)AFP