【4月25日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest、チョモランマ)で行われる北京五輪の聖火リレーに向けて、海外メディアの記者団は24日、チベット(Tibet)での取材準備を始めた。海外メディアがチベット入りするのは1か月ぶりになる。

 五輪関係者は、ベースキャンプからエベレスト登頂に出発する聖火リレーチームの様子や聖火リレーに無関係な事柄に対しては取材許可が下りないとの見方を示している。聖火リレーチームのエベレスト登頂の予定日は、暫定的に5月3日とされている。登頂の際は高山用の特別製トーチを使用する計画だ。
 
 チベットでの暴動を受け、出発直前になって取材範囲が縮小されるなどの厳しい取材規制が敷かれたことに対し、記者団は抗議を行った。

 また、取材日程の変更により、チベットを通過してエベレストのベースキャンプまでわずか3日あまりで移動することになるため健康面が懸念されることから、取材日程に余裕をもたせることを要求した。

 ところが北京五輪組織委員会(Beijing Olympic Organizing Committee)側は24日早朝に突然、チベット自治区ラサ(Lhasa)までの旅費払い込み期限を同日に設定。いくつかの報道機関からは旅費受け取りを理由も告げずに拒否した。

 日程変更などの混乱のため、参加する報道機関の数は現時点では不明。一部メディアは、その後チベット入りを許可され出発の準備を進めている。だが、AFPを含む数社が健康面での問題などを理由に取材を見合わせることになった。

 中国当局は当初、エベレスト登頂を全世界に大々的に報道してもらうため、AFPを含む多数の海外メディアを招待していた。(c)AFP/Dan Martin