【4月16日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が15日、与党・統一ロシア(United Russia)の党首に就任することが決まったことを受け、野党「右派連合(SPS)」は同日、次期大統領のドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相に対し、プーチン大統領が旧ソ連型指導者にならないように求める公開書簡を送った。

 SPSは書簡の中で、プーチン大統領は与党を率いることで「死ぬまで権力を維持する」ことを目標としていると指摘した。1982年に死去するまで約20年にわたって権力の中心にあった旧ソ連のレオニード・ブレジネフ(Leonid Brezhnev)元書記長は「同じような仕組みを使って権力を握り続けた」としている。

 この公開書簡は、ロシアで広がりつつある、統一ロシアを旧ソ連時代の共産党になぞらえる動きを反映したものだ。

 プーチン大統領は与党党首と同時に首相にも就任するとみられているが、8年間の大統領任期中、統一ロシアを使って議会への影響力を強めるなど、権力の集中を着実に進めてきた。

 統一ロシアは、前年12月の総選挙で憲法改正が可能な63%の議席を獲得。このことが、統一ロシアの党首に就任するプーチン大統領の首相としての地位を大きく強化するかたちになっている。

 では、ロシアの「事実上の」指導者になるのは、メドベージェフ氏とプーチン氏のどちらだろうか。SPSの公開書簡は、メドベージェフ第1副首相は「本物のロシア大統領になれるのか、それとも操り人形になってしまうのか」と問いかけ、その答えはメドベージェフ氏がどれだけ早くプーチン大統領から自立できるかにかかっているとしている。(c)AFP