【4月14日 AFP】今月15-30日に国勢調査が予定されていたスーダンで、南部政府は13日、国勢調査には参加しないと表明した。これにより、ダルフール(Darfur)紛争をめぐり対立するアラブ系の中央政府と黒人系の南部政府の和平の進展に再び暗雲が垂れ込めている。

 国勢調査は、アフリカ最長の紛争の1つであるスーダン内戦を終結させる2005年の包括的和平協定に、その実施が盛り込まれた。目的は選挙民の登録で、内閣の(アラブ系が多い)北部および(黒人系が多い)南部出身者の登用比率を決定する意味合いもある。だが、資金面とロジスティックの問題から延期されていた。

 南部政府は、「国境紛争やダルフール問題など、南北間のさまざまな紛争を解決する方が先だ。国勢調査を今行っても所定の目標は達成されない」として、11月か12月まで延期するのが望ましいとの見解を示している。また、民族や宗教に関する項目が調査に含まれていないことも不満としている。

 南部のこうした決定に伴い、政府は臨時閣議を13日に開催。統一内閣に参加する南部の旧反政府勢力スーダン人民解放運動(Sudan People’s Liberation MovementSPLM)率いるサルバ・キール(Salva Kiir)第1副大統領はオマル・バシル(Omar al-Beshir)大統領との緊急会談のため急きょ首都ハルツーム(Khartoum)に向かった。

 与党国民会議(National Congress Party)は、「2009年の大統領選が延期される可能性も出てきた」として、南部政府の決定を強く批判した。

 また、国勢調査の実施に6500万ドル(約66億円)を援助している国連(UN)側は、「国勢調査をボイコットした場合、キール第1副大統領の立場は弱まるだろう」と指摘している。(c)AFP/Jennie Matthew