【4月11日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は10日、ホワイトハウス(White House)でイラク政策について演説し、7月以降のイラク駐留米軍の撤退を当面中止すると発表した。

 ブッシュ大統領は、8日に米上院の軍事委員会と外交委員会の共同公聴会で証言した、イラク駐留米軍のデービッド・ペトレアス(David Petraeus)司令官とライアン・クロッカー(Ryan Crocker)駐イラク大使の提言を受け入れたと説明。7月中に前年増派された5個旅団の撤退が完了した後は、撤退を当面中止すると述べた。

 また、イラクに駐留する兵士の任期を、8月1日以降は15か月から12か月に短縮する方針も示し、「難しい戦争だが、終わらないわけではない」と言明した。

 一方、今回の演説では、来年1月に就任する次期大統領は、誰が選出されても、イラク戦争の終結やその方法について決断を下さなければならないとするブッシュ大統領の姿勢が改めて明確になった。

 イラク戦争は6年目に突入しており、これまでに米軍兵士約4000人と多数のイラク人が命を落としている。戦争不支持の世論も強まる中、共和党にとっては11月の大統領選本選に向け、頭の痛い問題となっている。(c)AFP/Olivier Knox