【4月9日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領は同国で「核技術記念日」とされる8日、国営テレビで行った演説で、米国は2001年9月11日の米同時多発テロをイラクやアフガニスタン進攻の「口実」にしたと非難するとともに、同時多発テロの背景についても疑問を呈した。

 アフマディネジャド大統領は「この事件を口実にしてアフガニスタンで大規模な軍事作戦が開始され、これまでに数万人が殺されてきた」と語るとともに、「イラクも同様だ。公式な統計によると、100万人が殺されている」と強調した。

 また、9月11日の事件で死亡した人の名前はこれまで1度も公開されておらず、世界貿易センター(World Trade Center)ビルに突入した航空機にも疑いがあると語り、同時多発テロに関する米国の公式見解についても疑問を呈した。

「あの事件は、とても悲しいものだった。3000人が亡くなったと聞いている。だが、その3000人の名前は公開されていない。その上、最高のレーダーシステムと情報システムを有する米国で、複数の航空機が気付かれることなくビルに突入できるのかという大問題に誰も答えることはできないではないか」

 アフマディネジャド大統領が、9月11日の事件に関して公に見解を述べるのはこれが初めてとなる。アフマディネジャド大統領は以前、第2次世界大戦時のユダヤ人大量虐殺「ホロコースト(Holocaust)」は「神話」だと発言をして世界中から非難を受けている。(c)AFP/Aresu Eqbali