【3月29日 AFP】欧州連合(EU)非公式外相理事会は28日、議長国スロベニアの首都リュブリャナ(Ljubljana)近郊ブルド(Brdo)で始まり、1日目の協議を行った。

 中国のチベット(Tibet)自治区ラサ(Lhasa)で発生した大規模暴動に対する中国政府の対応から、北京五輪の開会式ボイコットについて協議したが、各国で立場は分かれた。一方、同政府に対し、インド亡命中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世と対話するよう強く求めることでは一致した。

 抗議デモを行ったチベット人への中国政府の対応について、何らかの措置をとるよう求める世論の声が強まっているが、北京五輪の全面ボイコットは提案されなかった。

 チェコのバツラフ・クラウス(Vaclav Klaus)大統領、エストニアのトーマス・ヘンドリック・イルベス(Toomas Hendrik Ilves)大統領、ポーランドのドナルド・トゥスク(Donald Tusk)首相がすでに開会式ボイコットを表明している。

 これに対し英国は、開会式をボイコットしない方針で、ポルトガル、スペイン、スウェーデンもこれに同調した。

 ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は私人として出席する意向を示しているが、デービッド・ミリバンド(David Milliband)英外相によると、文化・メディア・スポーツ相が開会式に出席し、ブラウン首相は閉会式に出席する見通しだという。

 そのほかの国は、立場を明確にしなかった。

 一方、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)外相は、自身もアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相も開会式に参加しないことを明らかにしたが、チベットの問題とは関係ないと述べた。

 ベルリン(Berlin)のドイツ政府当局は、ホルスト・ケーラー(Horst Koehler)大統領はパラリンピック(para-Olympics)に出席する予定だが、五輪関連のほかの行事に出席するかは未定だと発表した。

 ハビエル・ソラナ(Javier Solana)共通外交・安全保障上級代表は、すでに開会式出席の意向を示しているが、同日もその立場を確認。チベットの問題についてはEU内で共通政策が必要だが、五輪については必要ないとの見解を示した。(c)AFP/Paul Harrington