【3月28日 AFP】ジンバブエは29日、大統領選の投票日を迎える。5期目を目指すロバート・ムガベ(Robert Mugabe、84)現大統領の圧倒的優勢を政政府メディアが伝える中、主要対立候補2人は不正選挙の恐れを繰り返し訴えている。

 政政府系日刊紙ヘラルド(Herald)は28日、大学の研究者が行った世論調査結果を引用して、ムガベ氏が得票率57%で勝利する見通しと伝えた。対立候補の得票率は民主変革運動党(Movement for Democratic ChangeMDC)率いるモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長が27%、シンバ・マコニ(Simba Makoni)元財務相が14%と予測した。

 これに対し、独立系のムガベ氏は過半数を得票できず決着は3週間後の決選投票まで持ち越されると見ている。

 選挙期間中、さまざまな機関による世論調査が行なわれたが、誰を支持しているか公言することをためらう人が多いため、調査結果の信ぴょう性を見極めるのは難しい状況にある。

 選挙戦最終日の28日も、首都ハラレ(Harare)では主力3候補が演説を繰り広げている。おおむね穏やかな雰囲気に終始した集会のあと、国際選挙監視団が支持者らに対し(投票時の)暴動を避けるよう呼び掛ける場面もあった。

 今回の大統領選で、ツァンギライ、マコニの両候補はかねてから、政府は不正選挙をもくろんでいると糾弾してきた。選挙人名簿も矛盾だらけで、両候補とも政府系メディアを通じてまともに公約を訴えることもできなかったとしている。

 英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)紙のインタビューでツァンギライ氏は、今回は不正選挙さえ行われなければ自分が勝利するだろうと語っている。同氏は前回2002年の大統領選にも出馬したが、不正選挙によりムガベ氏に敗れたとされる。一方のマコニ候補も、「最終的な選挙人名簿を見ていない。非常に心配だ」と選挙体制に懸念を示している。

 不正選挙の疑いが持たれているムガベ氏は、2人の対立候補は西側の操り人形だとし、疑いは「真っ赤なうそ」と否定している。

 10万580.2%という驚異的なインフレと、80%の失業率に苦しむジンバブエ。大統領選と同時に下院議員選挙と地方議会議員選挙も実施される。(c)AFP/Godfrey Marawayika