【3月28日 AFP】次期露大統領のドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相は、ロシア政府内で旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者の影響力が強まっていることに関し、「ほかの人と変わらない普通の人々だ」と述べ、問題はないとの認識を示した。27日に自身のウェブサイトで一部が公開された、新たに出版される伝記用のインタビューの中で明らかにした。

 伝記執筆者の国営テレビ記者とのインタビューの中で、メドベージェフ氏は「政府内のポストに就くKGB出身者が増えていることについては、満足している」と述べるとともに、「彼らは普通の人々だ。悪者扱いする必要もないし、神聖視する必要もない」と強調した。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)現大統領やその側近らと異なり、メドベージェフ氏はKGBやその後継組織の連邦保安局(FSB)に所属したことはないとされている。このことから、メドべージェフ政権は、現政権よりリベラルな政策を打ち出すのではないかとの見方もある。

 社会学者のOlga Kryshtanovskaya氏が前年に発表した調査報告書によると、ロシア政府高官の78%がKGBに関係する組織出身である可能性があるという。

 一方で、5月7日に大統領に就任するメドベージェフ氏は、ロシアの歴史におけるKGBの特別な役割が一部の人々を苦しめてきたことを認めている。KGBは旧ソ連時代、スパイ活動だけでなく、自国民への弾圧も担当していたといわれる。(c)AFP/Conor Humphries