【3月27日 AFP】26日に発表された最新の米世論調査によると、米大統領選の民主党候補指名を争うヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員の支持率が7年ぶりの低水準となった。一方、ライバルのバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は、師と仰ぐジェレミア・ライト(Jeremiah Wright)牧師の問題発言をめぐる最近の騒動を無傷で逃れたことが明らかとなった。

 米NBCテレビとウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)紙の合同世論調査(調査対象700人、誤差3.7%)によると、調査対象となった有権者のうち、クリントン氏を支持すると回答したのは37%だった。これは、2001年3月に同氏がニューヨーク(New York)州上院議員に初当選した2か月後に実施された世論調査以来の低さだ。

 一方、オバマ氏の支持率は、2週間前の調査時の51%からわずか2%減の49%と大きな変化はなかった。

■牧師の挑発的発言の余波

 オバマ氏は前週、人種問題や米国の外交政策に関するライト牧師の問題発言をめぐる騒動の沈静化のため、人種問題に対する見解を示す演説を行っている。

 ライト牧師の扇動的な説教の様子がインターネットやケーブルテレビで繰り返し放映されたことについて、55%が「困惑した」と回答。一方で、白人の45%および黒人の67%が、この問題に対するオバマ氏の対処を評価している。

 ウォールストリート紙は、「オバマ氏は、人種問題が選挙活動の命取りとなる前例を打ち破った」とする民主党の世論調査担当ピーター・ハート(Peter Hart)氏の見解を報じている。

■本選挙の見通し

 また、「一つの米国」を達成できるのはどの候補かとの問いについても、 オバマ氏は60%と、すでに共和党の指名が確定したジョン・マケイン(John McCain)上院議員の58%をわずかながら上回った。クリントン氏を選んだ回答者は47%だった。

 11月の本選挙について、マケイン氏対オバマ氏となった場合はオバマ氏が2%差でリード、マケイン氏対クリントン氏ではマケイン氏が2%差でリードとなったが、いずれも絶対的な勝利を示唆するまでには至っていない。

 その一方で、前回に引き続き今回の調査でも民主党員の20%が、現在支持している候補者が指名を獲得できなかった場合にはマケイン候補に投票する可能性もあると回答している。(c)AFP