【3月23日 AFP】和平交渉の再開を促すため中東歴訪中のディック・チェイニー(Dick Cheney)米副大統領は23日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)で、自治政府のマフムード・アッバス(Mahmoud Abbas)議長と会談した。

 チェイニー氏は、イスラエル政府高官と複数の会合を持ち、イラン情勢などを協議した足でラマラ入り。到着直後に、穏健派のアッバス議長との会談に臨んだ。

 会談前にチェイニー氏は、「われわれは、和平プロセスを前進させようとしており、政府としてできるだけのことをやっていく。中東で浮かび上がっている脅威にも対処していく」と述べた。またそれは「イスラエルにとってのみならず、米国にとっての脅威だ」と述べた。イランやシリア、レバノンを念頭に置いた発言とみられる。

 サラム・ファイヤド(Salam Fayyad)パレスチナ首相とも会談を予定するチェイニー氏の狙いは、イスラエルと平和的に共存できるパレスチナ独立国家の建設を目指すジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の政策をあらためて訴えることだとみられている。

 アッバス議長の報道官によると、パレスチナ首脳陣はチェイニー氏に対し、イスラエルの入植地建設の阻止を求めてイスラエル政府に圧力をかけるよう依頼する意向だという。

 ヨルダン川西岸での入植地建設問題は、米国が主導して2007年11月に再開された和平交渉の妨げになっている。(c)AFP/Olivier Knox