【3月22日 AFP】(一部更新、写真追加)22日午前8時(日本時間午前9時)に投票が始まった台湾総統選は同日午後4時(日本時間午後5時)、投票が締め切られ、開票作業が始まった。公式結果は、投票締め切りから数時間以内に発表される見通し。

 地元テレビの報道によれば、開票率10%の段階で野党・国民党(KuomintangKMT)の馬英九(Ma Ying-jeou)候補が16ポイントの差をつけて与党・民主進歩党(民進党、Democratic Progressive PartyDPP)の謝長廷(Frank Hsieh)候補をリードしている。

 有権者の関心は経済の建て直しと中国との関係に集まった。一日を通じて有権者の出足はよく、選挙管理委員会は75%程度の投票率を予測している。有権者数は約1730万人。

 総統選に加えて今回、台湾の国連(UN)加盟をめぐる2つの住民投票が実施された。

 任期満了を迎える陳水扁(Chen Shui-bian)総統は22日、国際社会が懸念を抱くなか、「台湾名義」での国連加盟を目指す住民投票への賛成を国民に訴えた。この住民投票は陳総統と与党・民主進歩党(Democratic Progressive PartyDPP)の提案によって実施された。

 1971年、国連が中華人民共和国を中国の唯一の代表と判断したことで、中華民国(台湾)は国連での議席を失った。現在台湾と正式な国交があるのは23か国にとどまる。

 「台湾名義」での国連加盟を目指す動きに中国政府は強く反発。国連は過去15回、台湾の国連加盟申請を中国の反対で退けてきた。台湾にとって最大の同盟国である米国や欧州連合(EU)加盟国も懸念を表明している。

 一方、野党・国民党(KuomintangKMT)は、関係国への配慮から加盟名義にこだわらない柔軟な姿勢での国連加盟を訴えている。

 専門家はどちらの住民投票も投票率が法定の50%に達せず、不成立に終わる可能性を指摘する。住民の間ではいずれにしても中国の反対で台湾の国連加盟は阻止されると冷めた意見も聞かれる。(c)AFP