【3月22日 AFP】ギリシャ系とトルコ系の2共和国に分断し対立が続いていたキプロスで21日、ディミトリス・フリストフィアス(Demetris Christofias)キプロス大統領とメフメット・アリ・タラト(Mehmet Ali Talat)北キプロス大統領が分断解消に向けた対話の再開で合意した。両大統領とも、再統合への実務的手続きを迅速に進めたいとしている。

 2月のキプロス大統領選挙でフリストフィアス氏が当選して以来、南北キプロス首脳による会談は初めて。キプロス再統合の推進を掲げたフリストフィアス氏が当選したことで、34年間にわたる分断の解消に向けた動きへの期待が高まっていた。

 初回の再統合交渉は、欧州内最後の分断された首都となったニコシア(Nicosia)の国連(UN)管理下地帯で行われる見込み。

 両大統領の会談に同席した国連のMichael Moller特使は、ニコシア中心部を南北に分断するレドラ通り(Ledra Street)については実務的な問題が解消され次第、境界線を開放し南北の往来が再開される運びで、その他の検問所についても早急に再開すると語った。

 ニコシア市当局も、早ければ1週間以内にもレドラ通り上の境界線を開放するとしている。

 さらに、両キプロスの有識者らによる会合を次週にも招集し、分断解消を目指した実務者級会合および専門委員会の設立を協議することが決まった。

 キプロスの分断は1974年、内戦状態にあったキプロスにギリシャが軍事介入し、これに対抗するトルコがトルコ系住民を保護するとの名目で北部を占領したことに始まった。

 その後、コフィ・アナン(Kofi Annan)国連事務総長(当時)の仲介の下で両キプロスの交渉が続けられ、アナン事務総長が双方に高度の自治を認めるとした和平案を提示。2004年に同案受け入れの是非を問う国民投票が両共和国で実施され、トルコ系の北キプロスでは賛成多数となったが、ギリシャ系の南側では反対多数で否決され、再統合交渉は中断していた。(c)AFP/Charlie Charalambous