【3月20日 AFP】米大統領選の共和党候補指名が確定したジョン・マケイン(John McCain)上院議員(71)が18日、訪問中のヨルダンの首都アンマン(Amman)で行った記者会見で、イランが国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を訓練していると言い間違える一幕があった。

 あらゆる場面で外交政策の経験を強調してきたマケイン氏は、イラクのアルカイダメンバーが隣国のイランへ潜入し、訓練を受けてイラクに戻り、同国に混乱をもたらしていると主張した。

 しかし、ブッシュ政権はこれまで、シーア(Shiite)派が多数を占めるイランがシーア派過激派組織を訓練していると非難してきたものの、スンニ(Sunni)派組織のアルカイダと同国を関連づけたことは一度もない。

 マケイン氏は、同行したジョゼフ・リーバーマン(Joe Lieberman)上院議員に耳打ちされてようやく間違いに気づいた。

■民主党、失言に乗じてマケイン氏を攻撃

 マケイン氏はこの失言で、民主党に攻撃材料を与えた形となった。

 民主党の大統領候補指名を争うバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員は19日、丸5年を迎えたイラク戦争への賛成を批判する材料として、マケイン氏の失言に言及した。

「おそらく、これがアルカイダと関係のない国との戦争に賛成した理由だろう」、「おそらくこれが、これまでのいかなる戦略よりも米国の敵をつけあがらせているということを、全く理解しない理由だろう」と述べて責め立てた。

 最近の世論調査では、大多数の米国民が、国際的危機に取り組むのに最も適した大統領候補としてマケイン氏を支持している。民主党の広報担当者は、マケイン氏の言い間違えは、外交政策能力がないことを示しており、現場で起きている事実を無視していることの証しだと指摘した。

 一方のマケイン陣営は、今回の失言は外交政策知識の幅を示すものではないと主張し、民主党は小さな過ちにつけ込み政治的な攻撃を行っていると非難した。

 マケイン氏は16日から中東歴訪中で、イラク、ヨルダン、イスラエルを訪れた後、ロンドンとパリへ向かう。(c)AFP/Alain Jean-Robert