【3月12日 AFP】売春組織の顧客だったとの報道を受け、夫人同席の謝罪会見を開いたエリオット・スピッツァー(Eliot Spitzer)米ニューヨーク(New York)州知事は、会見から一夜明けた11日も辞任を求める厳しい声にさらされている。

 同州議会の共和党議員団は、売春への関与が疑われ連邦法違反で摘発される可能性がある人物は知事にふさわしくないとして、スピッツァー知事に対し、48時間以内に辞任するか弾劾手続きを受け入れるかを選択するように申し入れた。

 一方、米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙によると、スピッツァー知事は11日、マンハッタン(Manhattan)の自宅マンションにこもって、辞任の可能性について側近たちと検討を続けているという。

 ニューヨーク州司法長官として企業汚職に取り組み、「ウォール街(Wall Street)の保安官」として知られたスピッツァー知事は前月、売春婦とホテルで待ち合わせをした際の電話を、当局によって通信傍受され、売春への関与が明らかになったとされる。

 スピッツァー知事は、前週摘発された売春組織「エンペラーズクラブ・VIP(Emperor's Club VIP)」の顧客「9番」だったとされる。検察当局によると、この売春組織は米国のほかロンドン(London)やパリ(Paris)でも営業しており、50人以上の売春婦が所属していた。料金は、1時間あたり1000ドル(約10万円)から最高5500ドル(約57万円)以上だったという。(c)AFP/James Hossack