【3月9日 AFP】亡命中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世は8日声明を発表し、北京五輪開催への支持を改めて表明した。

 複数のメディアは7日、チベット自治区の張慶黎(Zhang Qingli)共産党委書記が、北京五輪の妨害を画策しているとしてダライ・ラマを非難したと報じていた。

 インド北部ダラムサラ(Dharamshala)にあるチベット亡命政府は声明で、「ダライ・ラマ法王が2008年の北京五輪開催を一貫して支持してきたことは周知の事実である」と述べ、張氏の非難は1月に行われた英国のテレビ局との「歪曲されたインタビュー」に基づいたものだとした。

 このインタビューでダライ・ラマは、チベット支援グループによる五輪ボイコットの呼び掛けを支持するかとの質問に「過激すぎる」と答えていた。しかし一方で、ダライ・ラマは、チベット支援グループの行為が「国際社会、そして中国人に、弾圧され切迫したチベットの現状を伝えるきっかけになるかもしれない」とも述べていた。

 中国政府は1951年からチベットを支配している。1950年にチベット「解放」のために軍を派遣して以来、繰り返し武力鎮圧を行ってきた。(c)AFP