【3月6日 AFP】エクアドルのラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領は5日、同国領内に軍を侵入させ左翼ゲリラ組織への越境攻撃を行ったコロンビアに対し「明確な非難」を発表するよう国際社会、特に米州機構(Organization of American StatesOAS)に強く訴えた。

 コロンビア軍が1日、エクアドル領を侵犯し左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」の拠点に対し掃討作戦を行った事態を受け、隣国であるエクアドルとベネズエラはそれぞれのコロンビア国境沿いに軍を配備している。

 コレア大統領は同件に関するエクアドルへの支持を取り付けるため、周辺の南米各国を歴訪中。6日は外交関係者らが危機的状況の打開に奔走する中、さらに陸軍10個大隊を同日国境に増派したウゴ・チャベス(Hugo Chavez)ベネズエラ大統領とカラカス(Caracas)で会談後、共同記者会見を行った。

 会見でコレア大統領は「国際社会が『コロンビアは侵略者だ』と明確な非難を発表しない限り、エクアドルに休息はない」と宣言した。
 
 同日、南米を中心に34か国が加盟する米州機構(OAS)はワシントンD.C.(Washington D.C.)で緊急会合を開き、コロンビアのエクアドルに対する主権侵害を認める決議を全会一致で採択したが、正式に非難声明を採択するには至らなかった。

 チャベス大統領との共同会見でコレア大統領は、OASの同決議を「重要な第一歩」と歓迎し、OAS調査委員会の派遣決定についても称えたが、「われわれエクアドルは満足できなければ、力ずくでそれを得る自分たちなりの方法も見いだすだろうし、そうなればOASや国際社会はその沈黙や怠慢が罪となるだろう」と強い警告の形で国際社会に訴えた。

 コレア大統領は同日、エクアドルは「最終結論」に達するだろうと語っていたが、会見でも「われわれはこの対立の解決のためにあらゆる外交チャンネル、あらゆる平和的、国際的チャンネルは使い尽くした。なぜならば、わが国の主権を攻撃する者が罰を免れたままでは許さないからだ」と述べたが、具体的な詳細には触れなかった。

 同席したチャベス大統領は「エクアドルにはどんな状況下でも、わが国の無条件の支援を頼ってもらいたい」と支援を明言した。(c)AFP/Victor Flores