【3月2日 AFP】イランのマフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領が2日、歴史的なイラクへの公式訪問のためバグダッド(Baghdad)に到着した。

 アフマディネジャド大統領が到着したのは現地時間の午前9時05分(日本時間午後3時5分)で、マヌチェフル・モッタキ(Manouchehr Mottaki)外相ら大人数の代表団が同行している。

 今回の訪問は、シーア派が主流を占めるイラクのヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)政権を支持するイランの姿勢を強く示すものだ。

 出発前アフマディネジャド大統領は、今回の訪問は、共にイスラム国家で国境を接する両国関係を強化する大きな一歩になるとの期待を語っていた。

 1日、イランの首都テヘラン(Tehran)でアフマディネジャド大統領は、イラク国内の「不安定、意見の相違、緊張」がイランの敵である米国による策略の結果生じたものだと繰り返し述べ米国をけん制した。

 イランが混乱が続くイラクへの介入を続けているという米政府からの非難に対し「敗北に直面したとき他国に責任をなすり付けるのは米国の常套手段」とこれを否定し、「イラクに16万人もの兵力を展開しながら、イランの介入を疑うとは冗談にもならない」と断じた。駐イラク米軍はイランが反米勢力を訓練し、武器を供給していると主張してきた。

 欧米諸国は、アフマディネジャド大統領のイラク訪問で中東におけるイランの影響力が増すとイラクの一層の不安定化とレバノン情勢への悪影響につながりかねないとして神経をとがらせている。(c)AFP/Jay Deshmukh