【2月25日 AFP】(2月25日 写真追加)韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)新大統領(66)は25日、ソウル(Seoul)の国会議事堂前で就任宣言を行い、「イデオロギーの時代から実用主義の時代への前進」を宣言した。また韓国経済の再生を誓うとともに、北朝鮮問題では「核を放棄すれば、北朝鮮人民により良い生活が開けることだろう」と述べ、経済協力の用意があることを示唆した。

 就任演説で、李大統領は「建国60周年を迎えた韓国は今、今後の60年間を決定付ける重大な岐路にある」と述べ、「2008年を大韓民国の先進化元年とする」と宣言した。

 北朝鮮問題では、必要とあらばいつでも金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記に会う用意があると述べ、南北関係には「イデオロギー主義」ではなく「実用主義」で臨むと語った。

 外交問題では、韓米同盟の強化および日中露とのより良い協力関係の構築をめざすと語った。日韓関係について、李大統領は就任前、植民地支配への謝罪は求めず成熟した関係を築きたいとの意向を語っている。

 しかし演説中、李大統領が「最も急を要する課題」として強調したのは経済再生で、経済活性化対策として民営化の促進、減税、規制緩和をあげ、韓国の経済成長率を2007年の5%から5年間で7%まで上昇させると意気込みを示した。

 このほか、失業が深刻な若年層の雇用創出、困窮する庶民の生活改善や高齢化および少子化問題にも取り組むと明言した。

 独立から60年間、これまで韓国大統領を務めてきたのは軍出身者か民主活動家のみで、経済界出身の大統領は李氏が初めて。さらに保守政権の誕生も10年ぶりとなる。韓国大統領の任期は5年。(c)AFP/Park Chan-Kyong