【2月25日 AFP】(2月25日 一部更新、写真追加)キューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)国家評議会議長(81)の引退表明に伴い24日、国家評議会メンバーを選ぶ人民権力全国会議(国会)が開かれ、カストロ氏の実弟ラウル・カストロ(Raul Castro)第1副議長(76)が同評議会議長に選出された。

■国家の重大案件はフィデル氏に相談

 ラウル氏は就任演説で「誰もフィデルの代わりとなることはできない。彼自身はここにいなくとも彼の理念は常に我々とともにあり、キューバ国民は彼の理念を体現すべく前進していく」と述べた。

 また同氏は「これまで何度か繰り返し述べてきた信念に基づき、与えられた責務を引き受ける。その信念とは、キューバ革命の軍最高司令官はフィデル1人だということだ」と語った。

 さらにラウル氏は「重大案件」については兄フィデル氏に意見を求める許可を議員らに求め、614人の議員はただちに承認した。

■米国務長官「平和的な民主化」促す

 これに先だち、米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官はキューバに対し、カストロ引退に伴い「平和的な民主化」を求めた。

 ライス長官は声明文のなかで、「キューバ政府に対し、すべての政治犯を釈放し、人権を尊重し、自由かつ公正な選挙への道を切り開き、平和的な民主化プロセスに着手するよう求める」と述べた。

 これに対しラウル氏は「帝国主義者米国およびその同盟国による攻撃的かつ内政干渉をもくろむ宣言には要注意だ」と述べ、警戒姿勢を強めた。

 議会は同日、評議会議長のほか、軍最高司令官、第1副議長、副議長5人、共産党書記、評議会メンバー23人を選出した。

■ナンバー2には革命世代のマチャド氏

 ナンバー2の第1副議長には、革命世代のホセ・ラモン・マチャド(Jose Ramon Machado)副議長(77)が選出された。マチャド氏は共産党政治局員で保健相を務めた経験がある。

 将来的には議長就任の可能性もあるとみられている若手指導者カルロス・ラヘ(Carlos Lage)副議長(56)は現職にとどまった。(c)AFP/Isabel Sanchez