【2月22日 AFP】セルビアの首都ベオグラード(Belgrade)では21日、コソボ(Kosovo)自治州の独立に反対する抗議集会のために数十万人が集結している。一方、コソボ自治州の独立を承認する国は増加している。

 抗議集会の参加者は、バスや列車を連ねてベオグラードに集まり、議会前での抗議集会に備えている。抗議集会は、午後5時(日本時間22日午前1時)から始まる予定で、セルビア正教の教会で「コソボへの祈り」を行って終了するという。

 今回の抗議集会に関しては、テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)選手や、映画界で数々の受賞歴のあるエミール・クストリッツァ(Emir Kusturica)監督ら著名人も支持を表明しているとみられている。

 コソボ自治州が17日に一方的な独立宣言を発表して以来、セルビアの民族主義者らが独立を支持する欧米の大使館に投石を行うなどの事態に発展している。警察当局の発表によると、セルビア人が人口の半分を占める、コソボ自治州北部のミトロビツァ(Mitrovica)で同日夜、国連暫定統治機構(UNMIK)が運営する裁判所が投石の被害にあったという。

 セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領やボイスラブ・コシュトニツァ(Vojislav Kostunica)首相は平和的な抗議活動を行うよう呼び掛けている。20日には、北大西洋条約機構(NATO)が主体のコソボ自治州国際治安部隊(KFOR)司令官が、コソボでの混乱をあおっているとしてセルビア人指導者らを非難した。(c)AFP/Katarina Subasic