【2月18日 AFP】セルビア南部コソボ(Kosovo)自治州による17日の独立宣言を受け、ロシアの要請で国連安保理(UNSC)の非公開会合が同日、緊急召集されたが、コソボの独立宣言を無効とするよう求めるロシア側の主張は受け入れられなかった。

 セルビアを支持するロシアのビタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)国連大使は、コソボの最終地位協定でセルビア、コソボ間の合意が成立するまでは安保理決議1244は有効だとして、コソボの一方的な独立宣言を無効とするよう訴えた。

 安保理決議1244は1999年のコソボ紛争終結時に採択された。コソボ自治州をセルビア領内における「暫定自治州」と位置づけ、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)治安部隊の駐留を定めている。
 
 しかし、ジョン・ソワーズ(John Sawers)英国連大使は会合後の記者会見で「ロシアの主張に賛同する国はなかった」ことを明らかにした。

 ソーヤーズ大使は、安保理がコソボ独立問題で全会一致をみなかったことは遺憾だと述べた。

 また、コソボの最終地位協定の仲介役を務めたマルッティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)国連事務総長特使の提案として「コソボの治安回復と安定に向けた唯一の選択肢は、国際監視下でのコソボ独立を承認することだ」と述べた。

 さらに、コソボ独立問題は「特殊」な事例であり、他地域での分離・独立問題には影響しないとの見方を示した。

 非公開会合のロシア以外の参加国は米国、欧州の安保理メンバー(英国、フランス、イタリア、ベルギー、クロアチア)および欧州連合(EU)議長国ドイツ。
 
 安保理緊急会合の結果を受け、18日にはベルギーのブリュッセル(Brussels)でEU外相級会議が開催される。(c)AFP/Gerard Aziakou