【2月3日 AFP】米大統領選の党指名争いでは全米24州で同時に予備選が行われる5日の「スーパーチューズデー」を前に、民主党ではバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員がヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員に対して追い上げをみせる一方で、共和党ではジョン・マケイン(John McCain)上院議員が対立候補のミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事を破っての指名確定を目指す。

 5日は実質的に全国規模の予備選との見方もあるが、民主党に関しては両陣営とも決戦は先になるとみている。

■民主党候補、有名人で選挙戦盛り上げる

 全米世論調査で支持率を伸ばしているオバマ候補は、保守層の多いアイダホ( Idaho)、ミネソタ(Minnesota)、ミズーリ(Missouri)の3州で大規模な選挙集会を予定している。

 2日の集会で1万4000人の支持者を前に、強力なクリントン陣営の前に自らを「負けイヌ」となぞらえたオバマ候補だが、前月の予備選ではアイオワ(Iowa)、サウスカロライナ(South Carolina)各州で勝利を収めたほか、著名人の支持も多く獲得している。3日、カリフォルニア(California)州では、同州で人気が高く、妻クリントン候補の代理で集会に出席予定のビル・クリントン前大統領に対抗し、テレビ司会者オプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)氏や故ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元大統領の娘、キャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)氏を配し集会を開く。

 一方のクリントン候補は、カリフォルニア、アリゾナ(Arizona)、ニューメキシコ(New Mexico)など西部の州を中心に選挙活動を展開。労働者や女性と並び支持層の中心をなすヒスパニック系住民の家を訪問する。

 カリフォルニア州立大学(California State University)での集会には、元バスケットボール選手のマジック・ジョンソン(Magic Johnson)氏やアカデミー賞女優のサリー・フィールド(Sally Field)、ドラマ『ザ・ホワイトハウス(The West Wing)』出演のブラッドリー・ウィットフォード(Bradley Whitford)らが応援に駆けつけた。

■保守派から反発、共和党マケイン候補

 マケイン候補は2日、テネシー(Tennessee)州ナッシュビル(Nashville)に到着。前週のサウスカロライナ、フロリダ両州での勝利で一躍第1候補に躍り出たが、長く同候補と対立してきた保守層からの激しい反発を招き、党内が分裂する恐れも出てきた。しかし同日の集会でマケイン氏は11月の一般投票で民主党に勝利できるのは自分だと強調、党内の協調を呼び掛けた。

 ロムニー候補はユタ(Utah)州でモルモン教会のゴードン・ヒンクレー(Gordon Hinckley)大管長の葬儀に出席した後、ミネソタ(Minnesota)州で活動を再開する。


■世論調査、クリントン候補とマケイン候補がリード

 5日の世論調査結果は、世論調査会社ラスムッセン(Rusmussen)によるとクリントン氏が45%、オバマ氏が37%。別の世論調査会社ギャラップ(Gallup)によるとクリントン氏が48%、オバマ氏が41%となっている。共和党については同じくギャラップの調査でマケイン氏がロムニー氏を20ポイントリードしている。(c)AFP/Charlotte Raab