【2月3日 AFP】トルコの首都アンカラ(Ankara)で2日、市民ら10万人以上が集まり、女性イスラム教徒がかぶるヘッドスカーフを大学構内で禁止する法律の撤廃案の断念と伝統的に伝わる政教分離の継続を政府に求めた。

 市民らが集まったのは、市内のアタチュルク廟。ここに眠るムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領は、近代トルコの父と呼ばれ、世俗主義の象徴とされている。

 治安当局関係者によると、12万6500人がこの抗議活動に参加したという。

 多くの専門家は、同国司法の判断や2005年に欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)が出した判断を無視したヘッドスカーフ禁止法の撤廃は、近代国家トルコの大原則の1つである政教分離に反することになり、同国の威信が傷つくことになると話す。

 また、一部では、ヘッドスカーフが大学構内で解禁されると、同様の動きが公務員にも広がり、やがてはヘッドスカーフを着用しない数百万人の女性たちに宗教的・社会的圧力がかかるのではないかと危ぐしている。(c)AFP/Burak Akinci