【1月31日 AFP】コソボ自治州のハシム・サチ(Hashim Thaci)首相は30日、州都プリシュティナ(Pristina)で会見し、来月3日に決選投票が行われるセルビア大統領選挙について、当選者を問わず選挙後の数日中に独立を宣言すると言明した。

「セルビアの政治情勢がコソボに影響することはない。コソボは独自の道を歩む」(サチ首相)

 コソボ自治州政府の高官は独立宣言の時期について「2月の第2週か第3週」と答えている。この高官によると「独立宣言の日程は欧州連合(EU)加盟国が推進している協議の進展次第。最終協議はEU、米政府、自治州政府の間で行われる」という。

 コソボ自治州政府の独立宣言については、米国とEU加盟国の大半が支持を表明している。一方、セルビアとその同盟国ロシアは一切容認しない姿勢を示している。

 アルバニア人が人口の90%を占めるコソボ自治州では1999年、セルビアによる弾圧を阻止するために北大西洋条約機構(NATO)主導の多国籍軍が空爆を実施。その後、同自治州は国連(UN)の暫定統治下にある。

 セルビア大統領選の決選投票は、極右民族派野党セルビア急進党(Serbian Radical Party)のトミスラフ・ニコリッチ(Tomislav Nikolic)党首代行と親欧派・民主党(Democratic Party)のボリス・タディッチ(Boris Tadic)現大統領の一騎打ちとなっている。世論調査では両者が互角の戦いを展開している。

 コソボ独立問題はセルビア大統領選でも大きな争点となっている。(c)AFP