【1月29日 AFP】今月中国・北京(Beijing)を訪問した米太平洋軍司令官のティモシー・キーティング(Timothy Keating)海軍大将は28日、ワシントンD.C.(Washington, DC)で開かれたアジア・ソサエティ(Asia Society)のフォーラムで講演し、中国の軍事力は防衛に必要な水準を越えているとの懸念を示した。

 キーティング司令官は、中国訪問の際、同国の指導者たちからいわゆる「地域制圧兵器」は、「中国に属するものを守るため」と説明されたと述べたうえで、それらの兵器システムの一部は、中国の防衛に必要だと考えられる水準を越えているようだとの懸念を示した。

 同司令官によると米政府は、中国政府が陸海空の一定の範囲における移動を妨げる能力をもつ兵器を開発・配備していることを裏付ける情報を持っているという。

 米国防総省は、ミサイルを含む中国の軍事力が、米国の戦艦や船舶への攻撃に使用される可能性を懸念している。

 同省は前年議会に提出した年次報告書で、中国の人民解放軍は、長距離から、米空母や西太平洋地域の遠征攻撃群を阻止する兵器の開発を継続して行っているとみられ、海上・上空・宇宙の兵器システムを組み合わせた重層的な攻撃システムを発展させているとしている。

 米政府は、中国が軍事力を強化し、台湾と紛争が起きた際、他国の介入や米海軍のアジア地域への展開を阻止しようとしているのではないかと懸念している。(c)AFP/P. Parameswaran