【1月27日 AFP】暗殺されたパキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相のめいで、将来は政治家になるとも目されているファティマ・ブット(Fatima Bhutto)氏が、「世襲」ではなく自分自身で政治的な業績を成し遂げたいとの考えを示した。インドのメール・トゥデー(Mail Today)が26日、報じた。

 ファティマ氏の人目を引く外見と強い意志、人を引きつける魅力は亡くなったブット元首相をほうふつさせる。ブット家内での根深い不仲にも関わらずファティマ氏が元首相の後継者だとみる専門家もいる。

 インド北部ジャイプール(Jaipur)で開かれた文学祭に出席したファティマ氏は「わたしは後継者にはなりたくない。自分自身で道を開きたい。パキスタン政治には世襲制度を超えた新しい世代が必要だ」と語った。

 前年末に元首相が選挙のために帰国した際、ファティマ氏は元首相に批判的な記事を発表した。

 そのことについて同氏は「おばに対して批判的なことを書いたことを後悔していない」とした上で、「彼女を死に至らしめた出来事について非常に遺憾に思っている」と語った。また批判的だったのは「政治的な観点からで、個人的な観点からだったことは一度もない」と強調した。

 ファティマ氏の父ムルタザ・ブット(Murtaza Ali Bhutto)氏は1996年に不自然な状況で銃撃され死亡した。当時ベナジル・ブット氏が首相を務めており、ファティマ氏は父の死についておばが「道義的責任」を負っていると発言していた。(c)AFP