【1月27日 AFP】(一部更新、写真追加)2008年米大統領選挙の民主党指名候補争いで26日、同党のサウスカロライナ(South Carolina)州予備選が実施され、黒人層の圧倒的な支持を得たバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員が、ライバルのヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)上院議員に対し圧勝し、史上初の黒人大統領誕生に向けて大きな一歩を踏み出した。

 オバマ候補は予備選通算2勝目。2月5日に20州以上で同日投票が行われるスーパーチューズデーを前に、先に2勝を収めていたクリントン候補と並ぶ展開となった。得票率27%に留まったクリントン氏を大きく引き離し、55%の得票率を獲得したオバマ氏は、自らを「改革の実行者」と宣言し、ライバルのクリントン氏に対しては「現状維持をもくろむ、相容れない存在」と厳しく批判した。

■オバマ氏「人種ではなく過去と未来の対決」

 明暗を分けたのは主に黒人票だった。黒人有権者のうち81%がオバマ氏に投票し、クリントン氏への支持は17%に留まった。しかし、オバマ氏は「黒人対白人の対決ではない。この選挙は過去と未来の対決だ」と述べ、争点は人種対立にはないと強調した。

 クリントン候補にとっては、ニューハンプシャー(New Hampshire)州とネバダ(Nevada)州の予備選で連続して勝利し、勢いに乗りかけたところでの敗北となった。敗北宣言の中で、クリントン氏は史上初の女性大統領を目指し新たに闘志を誓った。

 ジョン・エドワーズ(John Edwards)元上院議員は、地元サウスカロライナで得票率18%、3位という結果に終わったが、大統領選からは離脱しないことを表明した。

■ケネディ元大統領の娘キャロラインさん、オバマ支持を表明

 またオバマ氏は同日、動向が注目されていた故ジョン・F・ケネディ(John F Kennedy)元大統領の娘、キャロライン・ケネディ(Caroline Kennedy)氏の支持をとりつけた。ケネディ元大統領の子どもの中で唯一存命しているのがキャロライン氏。オバマ氏は、改革を基本方針としている点や若さという共通点から、故ケネディ大統領としばしば比較されてきた。

 キャロライン氏は「わが父のような大統領」と題した米ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙への寄稿の中で「私たちは、この国の指導者の一新を必要としている。1960年に私の父を大統領にした時のように」と述べた。

 全米各州の予備選挙を通じて、民主・共和両党の候補者はそれぞれ1人に絞り込まれる。勝ち残った両党の候補者は、2009年に任期満了を迎えるジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領の後継の座をめぐり本選を争う。

■民主党サウスカロライナ州予備選 各候補の得票率(開票率99%)

バラク・オバマ氏 55.4%
ヒラリー・クリントン氏 26.5%
ジョン・エドワーズ氏 17.6%
マイク・グラベル氏 0.0%

(c)AFP/Alain Jean-Robert