【1月13日 AFP】インドのマンモハン・シン(Manmohan Singh)首相は13日、中国首脳らと会談するため、北京に到着した。世界人口の三分の一を占める両国の協力による国際社会での影響力強化を模索する。

 インド首相による訪中は5年ぶり。アジアの大国の1つであるインドは、中国との長年に及ぶ論争を脇に置き、国際舞台における連携を打ち立てようとしている。

 シン首相は訪中前のインタビューで中国国営新華社(Xinhua)通信に対し、「インドと中国の関係は今日、2国間関係の次元を超え、国際規模の戦略的な重要性を獲得している」と述べた。同首相は中国首脳陣との会談の中で、国連改革や地域対話、さらに気候変動やエネルギー安全保障問題、国際貿易、テロ対策といった国際問題について幅広く協議したいと期待を述べた。

 インドは隣国パキスタンおよびミャンマーと中国の緊密な関係を長年、警戒してきた。中国はパキスタンおよびミャンマーに強力な軍事支援、経済援助と投資を行っている。

 中国とインドの両国はまた近年、ミャンマーの自然資源をめぐっても競い合っている。特に中国企業は、ミャンマーの豊富なガス資源とそのパイプラインをめぐる契約で競合したインド企業を打ち負かしている。

 シン首相の訪中にはカマル・ナート(Kamal Nath)商工相を団長とする貿易関係の代表団も同行する。インド側は2006年以降、対中国貿易の不均衡が40億ドル(約4400億円)から90億ドル(約9800億円)に拡大したとしており、これを是正したい意向だ。

 両国は2006年11月、2010年までに貿易額を400億ドル(約4兆3500億円)に倍増させることで合意している。中国側の統計によると、2007年1月から11月までの2国間貿易は342億ドル(約3兆7230億円)に達した。

 政府関係者によると、1962年の国境紛争のきっかけともなった長年係争中の領土問題についても協議する予定となっている。(c)AFP/Robert J. Saiget