【12月27日 AFP】(12月28日 一部更新)パキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相(54)が27日、ラワルピンディ(Rawalpindi)で暗殺された。2か月前に事実上の亡命生活から、政界復帰へ向け帰国したばかりだった。ブット氏の暗殺でパキスタンの政治混乱が深まることは確かで、2週間後に迫った総選挙の実施が危ぶまれている。

 ブット氏は同地で開かれた野党・パキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)の選挙集会で演説し、会場を離れようとしたところを警護をかいくぐった犯人に首を撃たれた。犯人は直後に自爆し、集会の参加者のうち少なくとも20人も死亡した。ブット氏の報道官によるとブット氏は襲撃された時、車から身を乗り出して支持者らに手を振っていたという。

 犯行声明は今のところ出されていないが、ブット氏は以前パキスタン情報筋が同氏の暗殺を計画していると批判しており、またイスラム過激派から殺害するとの脅迫を受けていることも明かしていた。 

 一方、首都イスラマバード(Islamabad)でも同日、ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相の支持者らの集会で発砲があり、4人が死亡、3人が負傷した。パキスタンでは、今年に入って40件以上の自爆攻撃が発生しており、少なくとも770人が死亡している。(c)AFP