【12月27日 AFP】一方的な独立宣言も辞さない姿勢を示すセルビア南部コソボ(Kosovo)自治州の動きを受け、セルビア議会は26日、同自治州の独立にあくまで反対する内容の決議案を賛成220、反対14、棄権3の圧倒的多数で採択した。

 決議案は、コソボ独立を承認する可能性のある国家との外交関係などをすべて見直す内容。セルビアが欧州連合(EU)と締結予定の安定化連合協定(Stabilisation and Association AgreementSAA)も含めて「セルビアが締結するすべての国際協定は国家の主権と領土保全を認めるものでなければならない」と規定している。

 親欧派のボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領、保守派のボイスラブ・コシュトニツァ(Vojislav Kostunica)首相のセルビア民主党(Democratic Party of Serbia)のほか、極右民族派野党のセルビア急進党(Serbian Radical Party)までの幅広い勢力が決議案を支持した。

 タディッチ大統領は決議について、セルビアの主権と領土を守り、同国のEU加盟に大きく役立つものであると語った。また「平和的、外交的努力を通じてコソボ独立を阻止し、EU加盟も実現する」と述べ、2つの課題の両立を目指す考えをあらためて強調した。

 国連(UN)主導で2年あまりにわたって行われたコソボ自治州の最終地位交渉が失敗した後、欧米諸国はコソボ独立を容認する立場を示唆している。(c)AFP