【12月24日 AFP】23日投開票された、クーデター後初のタイ下院選挙で、クーデターで追放されたタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)前首相系の「国民の力党(People Power PartyPPP)」が勝利宣言を行った。この結果、1年以上の間、事実上の亡命生活を送っていた億万長者のタクシン氏が、政界に復帰する舞台が整った。

 選挙管理委員会によると、PPPの獲得議席は過半数に届かず、PPPのサマック・スンタラウェート(Samak Sundaravej)党首は、連立政権樹立へ連携政党を選ぶことになる。

 同党の勝利は、2006年9月に無血クーデターを行った王政派の軍司令官らにとっては大きな打撃となった。PPPが連立政権の第1党になれば、自らの意思で亡命したタクシン氏が帰国する可能性が出てきた。

 サマック氏は「間違いなくわたしが次期首相になる」と自信たっぷりに宣言し、香港(Hong Kong)にいるタクシン氏から電話で、選挙結果への祝意が伝えられたと述べた。

 PPPは定数480のうち、228議席を獲得するとみられている。正式な最終結果は、早くて24日に発表される。

 反タクシン派の民主党は166議席獲得する見通しで、他の5政党が残り議席を分け合う。

 民主党のアピシット・ウェーチャチーワ(Abhisit Vejjajiva)党首は、「もしPPPが連立政権樹立に成功すれば、民主党は野党になる。もし失敗すれば、独自の連立をつくる用意がある」と語った。(c)AFP/Anusak Konglang