【12月21日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が、翌年の大統領退任後に政府系天然ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)の会長に就任する可能性が出てきた。経済紙Vedomostiが21日、報じた。

 ガスプロムの現在の会長はドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相だが、プーチン大統領から後継者に指名されており、来年3月の大統領選挙で当選した場合には会長職を辞任する意向を明らかにしている。

 Vedomosti紙がメドベージェフ副首相に近い筋の情報として報じたところによると、「ガスプロムの次期会長候補として、政財界で最も多くあがるのはプーチン大統領の名前だ」といい、メドベージェフ氏から首相就任を要請されているプーチン大統領は空席となるガスプロム会長の座に収まることについて、やぶさかではない考えだという。

 また同紙は別の政府高官の話として、メドベージェフ氏はプーチン大統領がガスプロム会長に就任する前に表向きに別の候補者を指名することもありうると伝えている。
 
 世界最大の天然ガス企業ガスプロムは、欧州連合(EU)のガス総輸入量の25%を供給している。一方で、ロシア政府の政治的な思惑により、地理的優位を利用し、ウクライナやベラルーシなどの近隣諸国にガス料金値上げ圧力をかけるなど摩擦を引き起こしている。

(c)AFP