【12月12日 AFP】米下院は11日、多くの死傷者が出たミャンマー軍事政権の民主化デモ弾圧を受け、同国の数百万ドル規模の宝石輸出と天然ガス産業に対する制裁強化法案を全会一致で可決した。

 同法案では、ミャンマーの政治・軍事指導者らが米金融機関で所持する資産も凍結。指導者やその家族らが第三国を経由して米金融機関を利用するのを防ぐ。

 国連(UN)の報告によると、仏教僧が主導した9月のデモを軍が弾圧した結果、少なくとも31人が死亡、74人が行方不明になった。この弾圧には、国連安全保障理事会(UN Security Council)を含め、国際社会から批判の声が挙がっていた。

 下院の民主・共和両党が制裁法案に賛成した。

 同法案は、米国での宝石販売を狙い、第三国を経由する「宝石洗浄」を行うことで、現行制裁から逃れている軍政の行為に歯止めをかける。また、米エネルギー大手シェブロン(Chevron)が、ミャンマーの天然ガス計画によって得た収益に対する税控除を廃止する。

 ミャンマーの国営鉱業会社は、ルビーやサファイア、真珠、翡翠(ひすい)などを輸出し、毎年数千万ドルの利益を上げていたとみられる。

 同法案は、1万1000店が加盟する業界団体業界団体のジュエラーズ・オブ・アメリカ(Jewelers of America)や、自発的にミャンマー産の宝石の輸入禁止を行っていたティファニー(Tiffany&Co.)やブルガリ(Bulgari)などの大手宝飾店から支持されている。(c)AFP/ P. Parameswaran