【12月11日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)第1副首相を後継候補に指名した。11日の同国各紙は、これで同氏の次期大統領就任が確実になったが、政治権限は限定されるとの見方を示した。

 経済紙ベドモスチ(Vedomosti)は、リベラル派のメドべージェフ氏が指名を勝ち取り後継者になったと報じる一方、政府関係者の話として、同氏は「シロビキ」といわれるロシア政府の治安・国防関係者の意向をくまなければならなくなるだろうと指摘。政府の重要ポストはシロビキが占めると予想している。

 また、同紙はメドべージェフ氏がプーチン大統領の指示に従い、2020年までの経済発展計画を継承することになるだろうと解説した。この計画は2008年3月の大統領選前に採択される予定だ。

 一方、ブレーミャ・ノボスチェイ(Vremya Novostei)紙は「メドべージェフ氏が2008年3月2日にロシア3代目大統領に選出される」と報じたが、同氏の政権安定は、プーチン大統領が今後どんなポストに就くのかにかかっていると伝えた。

 政府高官の話として同紙が伝えたところによると、プーチン大統領はあらゆる分野の課題について新大統領に助言を行う相談役になるとみられている。

 コメルサント(Kommersant)紙は、メドべージェフ氏が大統領に選出される可能性については言及しなかったものの、大統領府で10日に行われた会合での指名は、全員が与えられた役をうまくこなした劇のようだったと伝えた。

 メドべージェフ氏の名はプーチン大統領の口からではなく、与党「統一ロシア(United Russia)」など4党代表者との会合で挙がったが、「誰が選んだかは明らか」だと同紙は強調した。(c)AFP