【12月11日 AFP】リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が10日、三十数年ぶりにフランスを訪問した。カダフィ大佐の訪仏受け入れをめぐっては、人権団体が抗議デモを行い、政府内からもRama Yade人権担当相が非難の声をあげるなど、激しい批判も出ている。

 カダフィ大佐にとって今回の訪仏は、4年前に大量破壊兵器の開発計画を放棄し、国際社会との関係を回復して以来最高レベルの外国訪問。カダフィ大佐はオルリ(Orly)空港でミシェル・アリヨマリ(Michele Alliot-Marie)内相の歓迎を受けた後、白いリムジンで大統領府であるエリゼ宮(Elysee Palace)に移動し、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領と会見した。

 会見後、サルコジ大統領は、リビアと100億ユーロ(約1兆6400億円)相当の契約を結ぶことを発表した。契約には原子力発電を利用した淡水化設備や武器なども含まれているという。

 サルコジ大統領はさらに、カダフィ大佐に対して人権問題での進展を要請したことも明らかにし、国内の批判をかわした。(c)AFP