【12月11日 AFP】米中央情報局(CIA)は、イランの核計画にかかわったイラン人を欧米諸国に亡命させる秘密任務を行っていると、ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)紙の電子版が9日報じた。

 同紙は、「The Brain Drain(頭脳の流出の意)」と呼ばれる同任務の関係者の話として、2005年に米政府がイランの核兵器開発計画の弱体化を目的に指示したと伝えた。

 亡命したのは社会的地位の高いイラン人6人のみで、任務は成功には至っていない。イラン核計画について有力な情報を提供したものもいないという。

 同紙は亡命者の身元は明らかにしていないが、今年2月トルコ滞在中に消息を絶ったアリレザ・アスギャリ(Ali Reza Asgari)元国防軍需次官をCIAが亡命させようとした疑いがあるとしている。

 米情報機関の元関係者によると、亡命する可能性のある人物に、CIAは直接接触せず、イラン国内で養成した交渉人を利用しているという。

 米情報機関は前週、イランが2003年に核兵器開発を中止したとする国家情報評価(National Intelligence EstimateNIE)を発表した。(c)AFP