【12月8日 AFP】欧州連合(European UnionEU)とアフリカ連合(African UnionAU)は8日、ポルトガルの首都リスボン(Lisbon)で第2回EU・アフリカ首脳会議を開催する。

 会議は2日間の日程で、EUとAUの加盟国のうち、約70か国から首相や大統領が出席する。2000年にエジプトのカイロ(Cairo)で開催されて以来7年ぶりであることから、開催国ポルトガルのジョゼ・ソクラテス(Jose Socrates)首相は7日、「首脳会議の実現それ自体がすでに成功だ」と語っている。リスボンの大展示場を会場に、「平和と安全保障」、「人権」、「統治」、「移民と雇用」、「環境と通商」といった議題について5回に分けて討議を行うことになっている。

 人権に関する議論が注目を集めるとみられる一方、通商分野で複雑な問題が提起される可能性がある。欧州は依然としてアフリカ製品の主要市場であるものの、近年アフリカにおける中国の存在感が急速に拡大している。中国は経済成長を続けるため原材料を必要としており、豊かな資源を持つアフリカ諸国に接近している。中国の長期低利貸付には条件が付けられることがほとんどないことから、欧州の包括的金融支援に伴ういくつもの条件や煩わしい手続きにしばしば苦しめられている一部のアフリカ諸国はこれを歓迎している。

 首脳会議開催に合わせて、ジンバブエの人権団体によるデモや、ダルフール紛争に関するデモなど一連の抗議活動が計画されている。市内には大規模な警備体制が敷かれ、出席者と報道関係者約5000人が集まる会場周辺では、道路が封鎖されたほか、ヘリコプターによる空からの監視が行われている。(c)AFP/Chris Otton