【12月2日 AFP】香港で2日、立法会(議会)補欠選挙の投票が始まった。香港で著名な女性政治家2人、元政務官の陳方安生(アンソン・チャン、Anson Chan)氏(67)と元保安局長の葉劉淑儀(レジーナ・イップ、Regina Ip)氏(57)が、普通選挙導入の是非を争点に、事実上一騎打ちで対決する。立法会の定数は60議席だが、半数の30議席のみが選挙によって選ばれる。

 政治専門家らは、陳氏らが率いる民主化運動の将来が占われると注目する。民主化勢力は11月の区議会選で、親中派に大敗を喫した。

 香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)の政治学者Ma Ngok氏は、「今回の選挙は民主派と親中派との戦い」と話す。

 補欠選挙には他に6人が立候補しているが、実質的には「香港の良心(Hong Kong's conscience)」と呼ばれる陳氏と「竜の女(Dragon Lady)」ともしばしば揶揄(やゆ)される葉氏による対決となった。

 事前の世論調査では陳氏がリードしているとされるが、陳氏が現役時代だった15年ほど前に巨額の住宅ローンを組んでいたことを、元公務員が暴露したことで、葉氏による追い上げを許しているという。

 Ma氏は、「得票結果は僅差となるだろう」と話す。

 投票は2日夜に締め切られ、3日早朝に結果が判明する。(c)AFP