【11月29日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領(55)は29日、テレビ演説の中で、自身が比例名簿の筆頭候補として立候補する与党「統一ロシア(United Russia)」への支持をロシア国民に呼び掛けた。また、12月2日の下院選挙の行方が翌年のロシア大統領選を左右することになると強調した。

 プーチン氏は野党に票を投じることは、ロシアを「屈辱、依存、分裂の時代」に逆戻りさせることになると警告し、「ロシアの発展を妨げ混乱に陥れ、わが国を後退に導くような人々の手に政権を委ねるようなことがあってはならない」と訴えた。

 また、下院選で「統一ロシア」が圧勝すれば、引き続き自身もロシア政界で役割を果たしていくことができると訴えたが、「役割」の具体的な内容については触れなかった。

 ロシア憲法は大統領の3選を禁じているため、プーチン大統領は翌年3月2日の大統領選には立候補できない。しかし、プーチン氏は依然として、大統領辞任後の自身の将来について明確にしていない。このため一部には、大統領の座を一時的に腹心に引き継がせ、後に自分が再度、大統領に返り咲く機会を狙っているのではないかとの憶測もある。

 下院に向けた選挙戦は、野党陣営が与党に対し、議席の多数確保を狙って権力を乱用していると激しく批判するなど、混乱の様相を呈している。(c)AFP