【11月29日 AFP】土壇場の協議が行われていたセルビア南部コソボ(Kosovo)自治州の最終地位交渉は28日、物別れのまま3日間の日程を終えた。自治州政府が独立の宣言も辞さないとするなど、武力衝突発生の恐れも浮上している。

 オーストリアの首都ウィーン(Vienna)近郊の保養地バーデン(Baden)で行われていた交渉を終え、ファトゥミル・セイディウ(Fatmir Sejdiu)自治州大統領は記者会見で、「遺憾ながらセルビア政府との合意はなかった。コソボ自治州の住民にとって、独立は始まりであり、終わりである」と述べた。

 セイディウ大統領はまた、「独立宣言は国際社会と連携して行われる。正確な時期はまだわからないが、かなり早い段階で行われるだろう」と言明した。

 一方、セルビアのボリス・タディッチ(Boris Tadic)大統領は、コソボ自治州が一方的に独立を宣言した場合は、直ちにそれを無効とする措置を講じると警告した。

 タディッチ大統領は、「セルビア政府はコソボ自治州の独立を認めない」とし、「コソボ自治州の独立を認めるいかなる決定も無効とする。あらゆる法的および外交的手段を使って、そのような決定に抗議する」と表明した。

 今回の交渉は、コソボ自治州の問題解決に向けた最後のチャンスと見られていた。コソボ自治州の最終地位交渉は、旧ユーゴスラビアを崩壊させた1990年代の激しい紛争で残された最後の難問だ。(c)AFP/Aleksandra Niksic