【11月28日 AFP】(一部更新、写真追加)パキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は28日、大統領職と兼務していた陸軍参謀長を正式に辞任した。これにより、同大統領が1999年の無血クーデターにより実権を掌握して以来、8年間続いた軍人統治に終止符が打たれた。

 軍籍離脱に続き、ムシャラフ大統領は、翌29日に文民大統領として宣誓する。

 28日の退任式で陸軍および核兵器の管轄権限は、アシュファク・キアニ(Ashfaq Kiyani)陸軍副参謀長が引継いだ。

 首都イスラマバード(Islamabad)近郊ラワルピンディ(Rawalpindi)の軍本部で行われた退任式で、軍参謀長の象徴であるバトンがムシャラフ大統領からキアニ陸軍副参謀長に手渡されると、賞賛の拍手がわき起こった。

 ムシャラフ大統領が軍籍離脱を決意した背景には、11月3日に発令した非常事態宣言に対し、米政府をはじめとする国際社会の批判が高まったことがある。ムシャラフ政権はこれまで米国の「テロとの戦い」において同盟関係を維持していることが支持されていた。

 非常事態宣言解除に対しても内外の圧力は強まっている。2008年1月8日に予定される総選挙前に解除されるかについて司法長官は明言を避けたが、近日中の解除を示唆する発言をしている。(c)AFP/Emmanuel Giroud